メモリアルトレバリー


 ジャイアントトレバリー。私がこの魚に本気で取り組むようになったのは、沖縄那覇市の寄宮フィッシングセンターに通うようになってからである。それまでにももちろんトレバリーという魚を釣ったことはあった。

 簡単ではなかったが、釣ること、釣るスタイル、釣るために必要なこと、釣った後のこと、それらをあまり意識していないときのことである。しかしここ寄宮にに来て大きく気持ちが変わった。

 小西健滋君に誘われて、この船でのトレバリーゲームをすることによって、今まで伸びていた鼻、またへたくそ以下で釣りをしていた自分のスタイルを、一から叩き直してくれた。そんなところなのである。

 YOSEMIYAフィッシングセンターから慶良間諸島にトレバリーを狙いに通い始めてから、納得の1本をキャッチするまでに1年かかった。キャスティングミス・ルアーリトリーブ、誘い、喰わせ、フッキング、ドラグ、システム、ファイト...どれをとってもひとつずつ基本を教え込まれた。

 今はYOSEMIYAV号の舵を握る前田学兄ぃは、私を見放さず、いつもしかってくれた。森山紹己船長は、今よりも大きくなれ!と私の尻をいつもたたいてくれた。店のおやっさん、ママさんは私の生活を気にかけ、食事などに気を配ってくれた。店番の稔さん、小泉さん、仲田君らと楽しい日々を送っていた。

 こうして毎月のように飽きもせず、この地に通い、より質の高いゲームを学び、そして身に付けることに喜びを感じることが出来るのは、この一本があったからである。

 21kgだった。結果実測としては、21kgの目盛りをさしていたわけだが、私の中では本当に重く、ずっしりとした、本当に意味で最高の一本であった。この一本でようやくトレバリーゲームのすばらしさがわかり始めてきた。

 今こうしてトレバリーに夢中になれるのも、つらくても無我夢中でなんとかキャッチしたからであろう。私は目標を慶良間での50kgオーバー、そして国内でそれ以上のサイズを目指す。この慶良間で最初に獲った一本の想いを超える重さのトレバリーをいつも夢見て、この地に通う。たかがトレバリー、されどトレバリー。私にとってこのトレバリーゲームに終わりはない。この体力が続く限り。