人生初めての取材釣行...
 
                          シーバスフィッシング



 私の釣り人生において初めて、雑誌社の依頼でカメラマンの方と同行し、釣りをしたことは今でもはっきりと憶えている。絶対に忘れられない釣行であったのだ。今から10年以上も前、学研から出ていたシーアングラーズというソルトウオーターゲームのムックであった。

 ライギョゲームの世界では巨腕、第一人者である新家邦紹さんのご紹介で、海のルアー誌へ。このムック誌のカラーページの特集コーナー「大型河川のサーフゲームでデカシーバスを」という内容であった。

 取材当日は京都の釣具店を夜9時ごろにあがり、京都府丹後半島由良川河口まで車を飛ばした。夜中の12:00にカメラマンの方と現地で待ち合わせ。

 「魚を釣らんとはじまらないですからね」小西敏機カメラマンからの言葉は今でもはっきりと覚えている。それまでの楽しい釣りは、釣ってこそ、となり結果を必ず出さなければならない釣りへと変わる。

 この日ラストを迎えるまで、緊張の連続であった。晩秋、いや初冬であった。ところが寒さは気にならず、ひたすら闇に向かって、ルアーをキャストし続ける。波の崩れ方、河川の流れと波とのぶつかりによって出来るヨレ、そういったものを観察し、変化のあるところを狙い、そして探ってゆく。

 同行してもらったのは、学研に紹介してもらった新家邦紹さん、今でこそデカバスハンターと異名を持つ奥村和正君、釣具屋の上司であった岡島学さん、幡武君である。

 釣れる、つれないのキーポイントは当時まだ確信できるほどではなかった。釣れそうな条件というのはいくつか見えていたのだが、本音を言うとカメラが構える中、どう魚を見つけるか、とても不安であったのだ。

 周辺が明るくなるまで、魚からのコンタクトはまったくなし。、朝の光が少しずつ広がり始め、よく海面からの変化がようやくわかるようになったときに、ようやく「ここだ!」というポイントを見つけた。それまでに使用していたタックルハウスのリップレスミノーから、マリアのポップクイーンに交換。

 この2つのルアーは当時から、かなりのデカシーバスが釣れていた。信頼しているルアーで狙う。口から心臓が出そうなくらいドキドキしている。出る。でる。
バシャ!出た!!パームスのサーフスター116はしっかりと魚を受け止めてくれる。

 寄せる波にうまく魚を乗せ、砂浜までずり寄せる。仲間が魚をとってくれ、無事にキャッチできた。とても思い出深い一本。

 それまでの魚にも、興奮し、そして嬉しかった。メーター近いシーバスを98、96センチといった90センチクラスをそれこそもう何本も獲ってきた。しかしその日初めてカメラを向けられ、かならず獲らなければならない状況の中で、釣りをし、そしてキャッチすることが出来た。

 結果はまぐれにしろ、良型78cmを手にすることができ、終了となった。

 この釣りは私の今までの釣りから、本当にいろいろな変化が生まれた釣りであった。10年前、まだ今のようにサーフでシーバスを狙うアングラーなどほとんどいない状況で、自分なりに魚を見つけ、結果を出し、そしてカメラに収めてもらうことが出来た。

 現在でも月に一度はかならずこういった雑誌の連載や、取材釣行がある。この初めての取材釣行のことを思い出すたびに、初心をおもいだし、一回の釣行を大切にすることができるのである。

                    

all photos by 小西敏機